RTX3090水冷化テスト例

TDP350WのNVIDIA GeForce RTX 3090を当社仕様で水冷化し、タワー型ケースに2枚搭載した場合の負荷テストの結果です。

概要

タワー型ケース内にGeForce RTX 3090を2枚搭載し、GPUが空冷(購入時のまま)の場合と水冷化した場合での負荷テストを実施しました。負荷をかけるためのツールとしてオープンソースのgpu-burnを使用し、GPUに高負荷をかけたまま24時間連続稼動させています。負荷テスト中はnvidia-smiを用いて各GPU温度、消費電力をはじめとした各種GPU情報を30秒毎に取得しています。負荷テストに関しては、最初にGPUが空冷(購入時のまま)の状態で行い、その後にGPUを水冷化して全く同じテストを行っています。

空冷の場合、今回のテスト構成では上側に取り付けられたGPUの温度が上がって性能が低下しました。開始直後の数分間を除くと、GPU冷却ファンの回転数は常に100%でThermal Slowdown状態、GPU温度は最大85℃に到達しました。下側に取り付けられた方のGPUは特に性能の低下もなく稼動しています。水冷の場合のGPU温度は最大74℃で、空冷の場合に発生したThermal Slowdown状態にはならず稼動し続けました。

冷却方法 GPU温度(GPU0が上段、GPU1が下段)
空冷(購入時の状態) GPU0温度:最大85℃ (Thermal Slowdownで性能低下)
GPU1温度:最大80℃
水冷GPU0温度:最大74℃
GPU1温度:最大72℃

テスト内容

空冷GPUおよび水冷GPUの両方とも同じシステムを利用しています。マザーボードはシングルソケットEPYC対応モデルを使用し、CPUは16コアのEPYC 7302Pを搭載しました。GPUには厚さ2.5スロット幅のZOTAC社GAMING RTX 3090 Trinityを使用しました。水冷にした場合にはGPUの厚さが減るため、接続できるPCI-Eスロットの自由度は高くなります。

空冷GeForce RTX 3090 2枚

下の2つのグラフは、空冷のRTX 3090を2枚搭載した場合の負荷テスト時における各GPUの温度と消費電力を示しています。凡例のGPU0は上段、GPU1は下段に取り付けられたGPUです。

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室温はテスト開始から16時間程度経過するまでは23℃程度、その後は徐々に室温が上昇して26℃程度でした。GPU0の温度はテスト開始から2分程度で85℃付近まで上昇して、テスト開始から16時間程度経過するまでは83℃から84℃の範囲で変動しています。その後、室温の上昇に伴ってGPU0の温度はほぼ85℃の状態が続き、19時間程度経過した時点で温度は83℃から84℃の範囲に下がります。GPU0の消費電力はテスト開始直後は340W程度ですが直ぐにに消費電力325W程度に下がり、35分程度経過した後はさらに消費電力が下がって315W程度で動作し続けます。19時間経過後に消費電力が300W程度まで下がり、その後は徐々に消費電力が上がって再び315W程度に戻ります。GPU0の稼動時の状態は、開始直後を除きSW SlowdownがActiveになっていました。開始19時間程度の時点でGPU0の消費電力と温度が下がったことに関しても、冷却不足の状態が続いたためにクロックを下げて消費電力を下げるという動作になったものと思われます。

一方でGPU1の温度はほぼ77℃から80℃を保っており、消費電力もほぼ350Wで大きな変動はなく、Thermal Slowdown状態になることはありませんでした。GPU0とGPU1の温度の違いはマザーボードの取り付け位置の違いによるもので、マザーボードの下側に取り付けられたGPU1はケース前面から取り込んだほぼ室温の空気で冷却されますが、上側に取り付けられたGPU0はGPU1が発生する高温の空気を取り込むことになるために温度が高くなり、常時サーマルスロットリングの状態になっています。

ミドルタワーケースと一般的な汎用PC、ワークステーションレベルのファンという構成ではGPUのサーマルスロットリングが発生しました。ケースやファンの構成次第では上のGPUも十分冷却できる可能性はありますが、強力なケースファンを使うことになるので騒音が問題になることが懸念されます。

水冷GeForce RTX 3090 2枚

下の2つのグラフは、水冷のRTX 3090を2枚搭載した場合の負荷テスト時の各GPUの温度と消費電力の結果を示しています。凡例のGPU 0は上段、GPU 1は下段に取り付けられたGPUです。

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室温は空冷の場合と同様にテスト開始から16時間程度経過するまでは23℃程度、その後は徐々に室温が上昇して26℃程度でした。水冷GPUに関してはGPU0の最大温度は74℃、GPU1の最大温度は72℃で、それほど大きな変動もなく安定して稼動しています。消費電力はGPU1が350W程度に対してGPU0が340W程度と若干低いですが、nvidia-smiを確認してもGPU0のThermal SlowdownはActiveになっておらず、GPUの温度によるものではありません。今回使用した2枚の個体だけでなく、別なメーカーの複数枚のRTX 3090ボードを空冷で1枚搭載して負荷テストを行いましたが、同じ負荷をかけてもボードの個体によって温度や消費電力に違いが出るため、ボード自体の個体差によって若干差が生じているものと思われます。

このように、GPUの水冷化によってGeForce RTX 3090を複数枚搭載した場合でも温度を低い状態に保ってフル稼働させることができました。発熱量が大きいためデスクサイドに置くには少し稼動音は大きめですが、少し離れた居室の隅や実験室などに置く分には支障はないレベルと思われます。

GPU水冷モデル

RTX 3090を2枚搭載した場合の結果を紹介しましたが、RTX 3090 4枚での動作も検証済です。RTX3090の搭載枚数が3枚以上の場合、CPUや入力電圧によっては電源を2台搭載することになります。

GeForce RTX 3090、RTX 3080を最大4枚搭載可能なモデルの他に、NVIDIA V100Sを最大4枚搭載可能なモデルもあります。各モデルの詳細に関しては各製品ページをご参照ください。

GeForce RTX 3090 最大4枚搭載
タワー型GPU計算機
(AMD EPYC)

  • AMD EPYC 7002を1基搭載
  • NVIDIA RTX 3090/RTX 3080を最大4台搭載可能なタワー型
  • 4台のGPUをPCI-E Gen4 X16フルレーン接続

製品モデル一覧

GeForce RTX 3090 最大4枚搭載
タワー型GPU計算機
(Intel Core i9)

  • Intel Core i9を1基搭載
  • NVIDIA RTX 3090/RTX 3080を最大4台搭載可能なタワー型
  • 4台のGPUはPCI-E Gen3 X16でPCI-Eスイッチ経由での接続

製品モデル一覧

GeForce RTX 3090 最大3枚搭載
タワー型GPU計算機
(Threadripper)

  • AMD Threadripperを1基 搭載
  • GeForce RTX 3090を最大3台搭載可能、研究室で利用できるように騒音を低減したタワー型
  • 3台のGPUをPCI-E Gen4 X16フルレーン接続

製品モデル一覧

PCI-E NVIDIA V100S 最大4枚搭載
タワー型GPU計算機
(AMD EPYC)

  • AMD EPYC 7002を1基 搭載
  • PCI-E NVIDIA V100Sを最大4台搭載可能、研究室で利用できるように騒音を低減したタワー型
  • 4台のGPUをPCI-E Gen3 X16フルレーン接続

製品モデル一覧

PCI-E NVIDIA V100S最大4枚搭載
GPU計算サーバ(Xeon)

  • Xeon Scalable Processor 2基搭載
  • 動作音大(専用のサーバ室へ設置)
  • 4台のGPUをPCI-E Gen3 X16フルレーン接続
  • PCI-E Tesla V100Sを最大4枚まで搭載可能

製品モデル一覧