水冷RTX 4090 x4枚搭載事例

4枚のNVIDIA GeForce RTX 4090をタワー型ケースに搭載し、当社仕様水冷で負荷テストを実施した結果を紹介しております。

概要

タワー型ケースにCPUとして16コアAMD EPYC 7313（空冷）を1基搭載、GPUとして当社仕様水冷のNVIDIA GeForce RTX 4090を4枚搭載した構成で負荷テストを実施しました。負荷テストにあたって、OSとしてUbuntu 22.04.3 LTSを用いています。

CPUへ高負荷をかけるために、分子動力学アプリケーションのNAMD（STMVベンチマークの入力ファイルを改変）を実行させています。

GPU GeForce RTX 4090 x4枚全てに高負荷をかけるためにオープンソースのgpu-burnを使用しました。なお、水冷化を行う前の空冷RTX 4090 を1枚搭載した状態でも同じgpu-burnによるストレステストを実施し、水冷化の前後で性能（gpu-burnで表示されるGflop/sの値）やnvidia-smiで取得したGPU消費電力に差がないことを確認しております。

CPUおよびGPUの両方に高負荷をかけた状態を保って60時間連続稼動させました。負荷テスト中はnvidia-smiを用いてGPU温度、動作クロック周波数および消費電力などの各種GPU情報を1分ごとに取得しました。テストの結果から、室温が約25℃の環境でGPU温度は75℃未満に抑えられております。

テスト結果

以下のグラフは、負荷テスト時における各GPU温度の時間変化を示しています。横軸がテスト開始からの経過時間（単位はhour）、縦軸はnvidia-smiを用いて60秒間隔で取得した各GPUの温度です。

GPU 4枚で多少温度の違いはありますが、室温約25℃の環境で60時間連続稼動させた状態でのGPUの最大温度は74℃でした。こちらはgpu-burn(cuBLASのSGEMMを延々と呼び出す)という負荷の高いアプリケーションの結果なので、実アプリケーションにおける負荷の内容によってはもう少し温度が下がる可能性があります。

また、以下のグラフは、負荷テスト時における各GPU温度の消費電力の変化を示しています。横軸がテスト開始からの経過時間（単位はhour）、縦軸はnvidia-smiを用いて60秒間隔で取得した消費電力です。

消費電力もGPU毎の個体差で若干ばらつきはありますが、どのGPUも400W±20W程度の範囲です。本テストで用いたGeForce RTX 4090では空冷の時点でも同程度の消費電力でSW Power Capが発生しております。そのため、動作時の消費電力はGPUカードそのものに起因するもので、水冷化したことにより変化したものではありません。

本水冷計算機の動作音は多少大きいですが、搭載しているファンは12cmファンが中心です。ラックマウント型サーバのように口径が比較的小さいファンが高速回転するわけではないため、高周波数の騒音は小さめです。そのため、専用のサーバ室のように防音設備が整った場所に設置しなくとも、デスクより離れた居室の隅や、実験室等への設置でも支障のないレベルと思われます。

また、本テストは実際にお客様へ納品したマシンの出荷前テストの結果です。弊社では出荷前に同様の負荷テストを行って安定性を検証してから納品しております。

前述のGPU温度や消費電力などの数値は、GPU以外も含めたシステム構成、各部材の個体差、設置環境およびソフトウェアバージョンの差異などの様々な要因で変動する可能性があります。

GPU水冷モデル

本製品はRTX 4090の搭載枚数などに応じてCPU、電源等に制約がありますので、詳細な仕様はお見積りの際にご相談となります。各モデルの詳細に関しては以下の製品ページをご参照ください。