量子化学・材料科学向け構成事例
量子化学や材料科学の分野ではGaussian, VASP, Wien2Kなどのアプリケーションがよく用いられます。メモリ帯域幅、メモリ量の両方が必要となり、コア数の多いCPUを搭載したマシンが望ましいです。
Intel XeonはAMD EPYCやThreadripperと比べてCPUあたりのコア数は少ないですが、AVX-512をサポートしているのが大きな利点です。Intel Xeon(特にXeon Gold 6000、Xeon Platinum)でインテルコンパイラ(+インテルMKL)を使用してコンパイルしたアプリケーションを実行する場合は、EPYCよりコア数が少ないXeonの方が高い性能になることもあります。メモリ帯域幅に関してはEPYCの方が高く、またCPUによってはコスト面で有利になることもあり、さまざまなアプリケーションを実行できるプラットフォームとしてEPYCの方が良いケースも有ります。
1. 量子化学計算 (Gaussian 16、自作コード)向けXeon計算機
お問い合わせ内容
Gaussian 16と自作のMKLを使用したC++アプリケーションでの計算を行うための計算機。
ご提案構成
計算コードには従来からインテルコンパイラとMKLを使用しているためCPUはXeonとして、予算からCPUとメモリ量をご相談した結果、CPUにXeon Gold 5220 2基、メモリ搭載量は384GBの構成となりました。また、Gaussianでは計算途中にスクラッチファイルが出力されるため、スクラッチファイル専用にI/O速度が高速なM.2のPCIe (Gen3x4) SSD も搭載しています。
主な仕様
- CPU: 2x Xeon Gold 5220 2.20GHz 18コア
- メモリ: 384GB DDR4-2666 6-channel
- Video: Onboard VGA
- スクラッチファイル出力用にM.2 PCIe SSD
- フルタワーケース
- インテルコンパイラプリインストール
関連モデル
・Xeon2W-SPCL : Xeon 2基搭載タワー型計算機
・EPYC2W : EPYC 2基搭載タワー型計算機
2. 材料科学計算 (VASP、自作コード)向けXeonクラスタ
お問い合わせ内容
材料科学分野で、VASPと自作のOpenMPで並列化されたFortranコードを実行するための計算機クラスタ。
ご提案構成
VASPと自作Fortranコードのコンパイルにはインテルコンパイラを使用されており、メモリは192GBで良いとのことで、ご予算範囲からCPUをXeon Gold 6240 x2基としました。
筐体は当初タワー型でご提案しましたが、ご相談の中で最終的にラック型で障害時の保守が容易なものが望ましいという結論になり、リダンダント電源搭載のラック型としました。ただ、設置場所が防音のしっかりしたサーバ室ではなく空き部屋の一角ということなので、高周波数帯域の騒音が大きい1Uや2U筐体ではなく4U筐体でご提案しました。クラスタ化にあたってはNIS, NFSの他にOpenMPIやジョブリソースマネージャをプリインストールしています。
主な仕様
- CPU: 2x Xeon Gold 6240 2.60GHz 18コア
- メモリ: 192GB DDR4-2933 6-channel
- Video: Onboard VGA
- 4Uラックマウント型(リダンダント電源)
- NIS、NFS、インテルコンパイラ、OpenMPIプリインストールおよびお客様の自作コードの動作確認
・Xeon2W-SPCL-NUR : Xeon 2基搭載ラック型計算機
・Xeon2W-SPCL : Xeon 2基搭載タワー型計算機
・EPYC2W-NUR : EPYC 2基搭載ラック型計算機
・EPYC2W : EPYC 2基搭載タワー型計算機
本ページのハードウェア構成は納品当時の構成のため、最新のパーツではないことがあります。また同分野のアプリケーションであっても実際の性能は計算モデル、アルゴリズム、コンパイラ、ソルバーやライブラリ、ソースコードなどに依存するため、必ずしも最適な構成ではない場合があります。